医院名:マロニエ矯正歯科クリニック 
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矯正コラム

2022.06.17

舌小帯について

質問

子供の舌小帯についてご相談させてください。
発音にはとくにもんだいありません 矯正相談に行くときったほうがいいとのことです
メスで切ってぬう か、レーザーでぬわない など病院によってちがうようですが、
どちらのほうがいいのでしょうか レーザーだと瘢痕化する確率が高いとか、メスでぬうほうは、かなりの痛みがあるとかいろいろネットにのっていますがご意見をお聞きしたいです。

回答

舌小帯高位付着のため、切除を勧められたということですね。
発音に特に問題が無いのであれば、やらなくても良いような気がします。
矯正治療のために必要であれば、勧めることもあります。

舌小帯が舌の尖端まで伸びていると、舌が動かしにくくなります。
本来、舌が上顎に接するかどうかの位置が正しい舌のポジションです。
舌が持ち上がらないと、低位舌になり、舌が歯に触れるようになります。
通常であれば、何もしていないときは舌は歯に接触していないのが正解です。
特に下の歯ですが、舌が歯に触れていると歯が前に押し出されてしまいます。

舌癖があると、「反対咬合(前歯が逆の咬み合わせ)」
「開咬(前歯が咬み合わない)」「空隙歯列(すきっ歯)」になってしまいます。
これらの不正咬合を治すときに、舌癖が邪魔になり、治しにくくなります。
正しい舌のポジションを習得するために、舌小帯が邪魔になるということです。
ただ、舌小帯高位付着の人はかなりの割合でいらっしゃいます。
そして、舌小帯高位付着でも反対咬合・開咬・空隙歯列じゃない人もたくさんいますし、
舌小帯高位付着でも反対咬合・開咬・空隙歯列を治すこともできます。

つまり、お子様が叢生(でこぼこ)や上顎前突(出っ歯)などであり、上記の歯並びでないのであれば
わざわざ舌小帯を切除してまで舌癖を治す必要がないと思われます。
また、舌小帯を切除したから必ずしも舌癖が改善するわけでもありませんし、
舌癖があっても反対咬合・開咬・空隙歯列は治すことが出来ます。
つまり、矯正治療のために本当に舌小帯切除が必要なのだろうかという話になります。
これは、矯正歯科医師の考え方によって変わってくるとことだと思います。

・反対咬合・開咬・空隙歯列なら舌小帯は切除するべき
・反対咬合・開咬・空隙歯列でも舌小帯は切除しないで良い
・反対咬合・開咬・空隙歯列でなくても、舌小帯は必ず切除すべき

という考えに分けられると思います。
歯並びや咬み合わせも大事だけれど、舌の位置や呼吸なども大事だと考える先生ならば、
どんな患者でも正しい舌のポジションを習得すべきであり、舌小帯も切除すべきと考えるでしょう。
また、重度の反対咬合・開咬・空隙歯列であるなら、少しでも舌癖を改善すべきなので、
治療の難易度を低減するために、舌小帯は切除すべきと考える先生も多いかもしれません。
つまり、お子様の歯並びの種類や、重症度、矯正歯科位の思想で、切除すべきかが変わるということです。

私個人としては、舌小帯高位付着の人なんて山のようにいらっしゃるので、
よっぽどのことが無い限り切除をすすめることはありません。痛い思いをすることになりますから。
まだ、矯正相談の段階であれば、矯正自体をやるかどうか、
その歯科医院で始めるかどうかも決まっていないと思いますので、切除をすべきかも検討ください。
発音が不明瞭であり、聞き取りづらく、本人が気にしているのであれば、やる意義はあると思います。

という前置きのもと、メスかレーザーかのお話ですね。電気メスというのもあります。
正直なところ、どちらでも良いと思います。まず、歯科医院によっておいてある設備が変わります。
レーザーを持っていないところはメスでやるでしょうし、持っていればレーザーでやるかもしれません。
瘢痕などについても、手術をする先生の技量などにも左右されてしまうと思います。
なので、メスかレーザーよりも、担当する先生選びの方が重要です。
信頼できる先生を見つけ、そのうえで、その先生が得意な方を選ぶでしょう。
どちらがいいか迷うのであれば、メスもレーザーも電気メスも置いている歯科医院を選びましょう。

機械が治療をやるのではなく、人間が機械を使って治療をします。
レーザーで瘢痕を残さない先生もいれば、メスで痛みなくやる先生もいるでしょう。
処置を行う先生が、一番効果的で一番安全な方法を選んでくれるはずです。
人間的にも技術的にも信頼できる先生を見つけられれば、安心して治療を受けられると思います。
先生探しが一番難しいのですが、色々相談に行ってみて見つけるしかありません。
口腔外科に精通していて、舌小帯切除術の経験も豊富な先生を探しましょう。