医院名:マロニエ矯正歯科クリニック 
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矯正コラム

2022.01.31

妊娠中の外科手術について

質問

妊娠中の外科手術はできますか?

回答

妊娠中の外科手術というのは、外科的矯正治療における顎を移動させるための手術ということでしょうか。
簡潔にお答えすると、やらない方がいいです。
不可能ではありませんが、お腹の中のお子様への影響を考えると、手術して良いと言う外科医はほとんどいないと思います。

顎変形症の外科手術というのは、全身麻酔下で行います。
様々な薬品を使用しますので、胎児への影響はかなり大きいと思います。
もちろん、妊娠中に交通事故などに遭い、生死に関わる手術であれば、リスクがあっても手術するでしょう。
外科的矯正の手術は、命に関わらず、かつ直ちに行わないといけないものではありません。
お子様への悪影響を無視して断行する必要はないですから、手術はできないと考えてください。
外科的矯正手術以外の生死に関わらない手術についても、妊娠中にあえて行うことはないでしょう。

もし、術前矯正治療中に妊娠が発覚した場合は、手術ができる状態にあっても手術は産後となります。
産後であれば手術は可能となりますが、約2週間の入院が必要になります。
お子様を伴っての入院を許可する病院は少ないと思われますので、入院中には親族などに預ける必要があると考えます。
なので、手術+入院期間にお子様を預けられる目処が立たないと手術はできないということになります。

術前矯正中でまだ妊娠していないのであれば、妊活については外科手術後からとした方が安心でしょう。
まだ、まだ術前矯正自体を始めていないのであれば、出産時期などのライフスケジュールを考慮して治療開始時期を検討した方が良いでしょう。
高齢出産の方も増えてきており、ある程度の年齢まで妊娠出産は可能だと思いますが、
外科的矯正治療もある程度の年齢まで可能です。そして、それは妊娠のタイムリミットよりも長いので、
どちらかを優先させるべきとなった場合には妊娠出産を優先すべきかと思います。
ただ、お子様がいらっしゃる状態での矯正治療・手術・入院も少し大変なので、
先に外科的矯正治療を完了させてからお子様を望むようにするのも良いと思います。
どちらにせよ、あえて同時に進めるというのはおすすめできませんので、優先順位をつけた方が良いと思います。

妊娠出産だけでなく、仕事の都合などでなかなか手術の日程を決められず、治療が進まなくなってしまう方もいらっしゃいます。
外科的矯正治療を選ぶということは、必ず入院期間があるということなので、
入院が出来るという状況が整ってから治療を開始された方が良いでしょう。
顎のずれの程度によりますが、外科的矯正治療ではなく、矯正治療単独で治すこともできるかもしれません。
本人が顔を変えたいか、にもよりますが、手術が現実的でないとしたら手術せずに治す方法もお考え下さい。

外科的矯正治療における入院は2回あります。1回目は顎を動かすための手術時です。
2回目は、動かした顎を固定しているプレートを取り除く時です。
顎を動かすための手術は、やらないと治療が進まなくなりますが、
プレートを除去するための手術は、延期しても矯正治療に影響はありません。
すでに顎を動かす手術を行った後に妊娠が発覚したのであれば、2回目の入院は延期しても問題ないでしょう。

外科的矯正治療以外にも、妊娠されている時期に矯正治療上配慮すべきことがあります。
抜歯などの観血処置(血が出る処置)や痛み止め・抗生剤などの投薬です。
抜歯時やアンカスクリュー埋入時には局所麻酔を行いますし、処置後に服薬があります。
胎児への影響を考慮した時には、妊娠中はおこなわないようにするか、妊娠安定期に行います。
比較的胎児への影響が少ない薬も選択できますので、矯正治療中に妊娠が発覚した場合は、担当医に相談しましょう。

産後であっても、本人が飲んだ薬の成分が母乳に移行し、乳児への影響が出ます。
完全ミルクやミルクと母乳の混合であれば影響はありませんが、
完全母乳育児である場合に、薬を使う前に母乳を保存しておくなどして対応する必要があるでしょう。
矯正治療中に妊娠・出産を経験される方はたくさんいらっしゃいますので、適切に対応すれば問題はありません。

現在の質問者様の状態が矯正治療前なのか、術前矯正治療中なのか、
これから妊娠の予定があるのか、すでに妊娠していらっしゃるのか、はわかりませんが、
妊娠中に外科手術は行えませんので、状況に応じた判断が必要になってくると思います。

以上を回答とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 

引用:矯正歯科ネットの回答